マングースOL

search/サーチのマングースOLのレビュー・感想・評価

search/サーチ(2018年製作の映画)
3.7
🖋あらすじ
忽然と姿を消した女子高生マーゴット。最初は友達と出かけただけかと思われたが、誰もマーゴットの行方を知らない。やがて行方不明事件として捜査が始まる。娘の無事を信じる父デビッドは、彼女のPCにログインしSNSにアクセスを試みる。そこに映し出されたのは、いつも明るく活発だったはずのマーゴットとはまるで別人の、自分の知らない娘の姿だった――。

「 新しいメッセージが 一件 あります」

🖋一言コメント
アンフレンデッドと同じく、全て「PC上で起こっていること」という設定でストーリーが進んでいく物語。細かい伏線もあるので、2回目を観るとまた違った見方が出来るかもしれない。

🖋感想&考察 ⚠️ネタバレ注意⚠️
いくつものミスリードを用意し、最後まで真犯人から目を逸らさせる構成が上手い!見事に引っかかったというか、『グランドイリュージョン』初見時と同じカタルシスを感じた。
まず序盤の見せ方がいい。この家族に何があったか、ネット上の映像だけで十分に分かる。リスケ、リスケ、そして予定の削除……それだけで胸が切なくなる。
そして、何となく過保護だなあと感じる序盤の親子のやり取り。未だ傷は癒えていないんだと感じさせる父親の様子。翌日、娘が音信不通になったところで段々と雰囲気が不穏になっていくところの切り替えがいい。

自分の知らない娘の姿に驚きつつ、余裕のなくなっていく父親の心情を表すようなマウスカーソルの動きが、パソコンをある程度弄っている人ならばあるあるだ。芋づる式にパスワードを初期化してSNSにログインしていくのも、若者であれば一度くらいやったことがある行為かもしれない。
また、犯人の正体だが、ちょうど主人公と一緒のタイミングで気がつくような構成になっていてすっかり騙された!解説サイトを見ると、細すぎると言いたくなるくらいの伏線があちらこちらに転がっていたようなので、2回目を観ても楽しいかもしれない。
(初見時で気付けた違和感といえば、「何故ライブに参加したばかりでマーゴットがポケモン好きだと分かったのか?」くらいだった……。)

「 母さんもお前を誇りに思っているよ 」

事件前は送ることの出来なかったそのメッセージ。この親子の未来は明るいのだろうと感じさせるラストの伏線回収もお見事。