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座頭市海を渡るのcatmanのレビュー・感想・評価

座頭市海を渡る(1966年製作の映画)
3.9
いよいよ座頭市が海外進出かと思いきや、行き先は四国。海を渡るって、瀬戸内海のことかーい!
シリーズ14作目となる本作は新藤兼人の脚本による異色作。物語の構図に他とは一味違う視点の深さが感じられる。が、それが映画としての娯楽性を高めているかと言うと必ずしもそうとは言えず、自分なんかには些かカタルシス不足。それでも西部劇を思わせる舞台設定と画作りはイイ感じで、池広監督による映像センスは本作でも冴える。劇伴を一切鳴らさないまま展開される長尺の殺陣もクール。SEがよくあるチュイーン!ズバァ!という大仰なものではなく割と控え目なところもイイ。ただやっぱり座頭市=勝新の魅力のひとつであるユーモアの描写が殆ど見られなかったり、ラスボスとの緊張感溢れる斬り合いが無かったりして全般的に物足りない感じ。こちらの期待値が高すぎるのかな
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