MasaichiYaguchi

ローレル・キャニオン 夢のウェストコースト・ロックのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

4.0
ウェストコースト・ロックの聖地、ローレル・キャニオンにスポットを当てたドキュメンタリーでは、私が10代の頃に聴いていた、ザ・バーズ、ママス&パパス、ジョニ・ミッチェル、ジャクソン・ブラウン、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング、リンダ・ロンシュタット、イーグルス等が多数登場し、当時の映像や写真と共に楽曲が披露されて嬉しくなってしまう。
1960年代から1970年代中盤、数多くのミュージシャンが引き寄せられるように移り住んだローレル・キャニオンでは次々と名曲が生まれ、ウェストコースト・ロックの最盛期を形作っていく。
何故、ローレルキャニオンにアーティストが集まり、切磋琢磨するかのように素晴らしい楽曲が生み出されたのか、その背景も本作では紹介されるが、或る意味、「アーティスト村」のような雰囲気だったのではないかと思う。
この時代、アメリカは泥沼のようなベトナム戦争中で反戦が叫ばれ、音楽もアメリカの繁栄と退廃、優しさや恐怖を美しいメロディーと卓越した歌詞によって表現されていく。
ザ・バーズを皮切りとしたフォーク・ロックからカントリー・ロック、ジョニ・ミッチェルを代表とするシンガー・ソングライターの時代を経て、巨大産業と化したロックの象徴でもあるイーグルスまで、L.A.音楽シーンの変遷を本作は分かり易く紐解いていく。