ひろりん

(ハル)のひろりんのレビュー・感想・評価

(ハル)(1996年製作の映画)
4.3
28年振りに見直してみました。当時はウェブブラウザ黎明期とあって最先端を行っていた映画というイメージだけが残っていましたが、今みると印象は明らかに変わります。ただ紛れもなくSNSを取上げた最初の映画なんでしょうね。ただ改めてディテールをみるとパソコン通信でやり取りされていた名前を巡る交換記録の物語は明らかに岩井俊二監督のラブレターの手紙のきっかけとなった名前をめぐる物語に近いものであったり、本作品で取り上げられたやり取りされる文字と登場人物達の日常生活の映像との組み合わせは同じく岩井監督のリリィシュシュの手法に繋がっているようにも見えます。本作品はSNSの関係性と可能性の考察に重きをおき、岩井監督作品はドラマ性と音楽映像体験に重きをおくという点では明らかに異なっており同時に取り上げられる作品ではないですが、これらの作品は今後もSNSを語る名作なのでオススメしておきます。
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