ひろりん

悪は存在しないのひろりんのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.4
衝撃のラストに目を奪われがちですが、上流から下流へ流れてくるストーリーとして読み解くと腑に落ちると思います。監督のフィルモグラフィーから大自然の映像とそれにまつわる寓話という観点からは震災三部作にちかいものに感じました。本作に興味を持たれた方にオススメの作品群です!
個人的には今回、単館系の映画館の小さいスクリーンで見ましたが、もっと大きいスクリーンであの大自然を観たかった点だけが少し悔やまれました。
パンフに石橋英子さんにビトムスキー監督の「塵」のイメージを共有したという逸話が残されていました。ビトムスキー監督としては「塵」と「映画と死」という作品を個人的にはみていますが、塵、廃墟、大自然、映画の中での死という退廃的なイメージは本作と関連しているのではないかと妄想しています。
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