ヤスマサ

ドント・ウォーリー・ダーリンのヤスマサのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

理想的な生活を送るアリス(フローレンス・ピュー)は、閉鎖的な街と不自然な環境に違和感を感じ、その原因を模索する話し。

舞台となる街は、中流階級が台頭したミッドセンチュリーの古き良きアメリカだ。
妻は可愛らしいファッションに身を包み、芝生の庭とマイカーのある広い家で夫の帰りを待つ。
BGMも50年代後期から60年代初頭当時のヒットナンバーが流れ、日本人の我々にも憧れる光景だ。
しかし、物理的に閉鎖的な街や画一的な毎日、フラッシュバックする光景や意味深な隣人の言動に、映画を観てる者にもどこかが引っ掛かってくる。
何か訳ありのコミュニティなのか…、
秘密裏に集められた何かの研究施設なのか…、
♪スリープウォークが流れて気がつく人もいるだろう。
欲望が満たされ、現実から逃避した仮想空間…、ここは幻想の世界なのだ。
そう思うと、アリスという名も意味深に感じてしまう。
この組織の存在やそこに至る経緯は、フィードバックする程度で詳らかにされない。
それは仮想現実への窓口であり、自我を閉じ込める殻なのだから。
アリスはやがてその殻を破り、自分が何者であるか知るだろう。
ヤスマサ

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