このレビューはネタバレを含みます
見応えのある心理ホラー。
終盤に大きく動くところ(話の畳み方)は好みが分かれるところかも。
そこに行き着くまでの主人公=観客の心理的な揺さぶり方が素晴らしい。
もうずっと息苦しい。
善人であろうとする人に、間接的にじわじわと自分って偽善なのかもと思わせる事で心理的な自由を奪っていく策略が緻密過ぎる。
最後に「お前が差し出した」と言われて、主人公は戸惑いつつも、もしかしたらそうなのかも…とまで思わされてしまうほど追い詰められている。
無神経な人なら気にしないような事でも、知性も教養もあり理知的な“善い人”であるからこそ、それが自分自身の手足を縛り、選択を誤らせる。そこが一番怖いところだった。
その分終盤の物理的に怖い感じがちょっと違和感あったかも。
試写会入場時にノベルティでフリスクいただいて、「なぜフリスク?」と言う“違和感”が、上映後に後味が悪いと思うのでフリスクでお口直しをって完璧に伏線回収されるのが気が利いていて最高だった。ごちそうさまでした。