Carly

僕らの世界が交わるまでのCarlyのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
3.6
ジェシー・アイゼンバーグどんな映画撮るんかなって思ったら意外と共感ポイントもあっておー!ってなるのがこの作品(言い方)
何よりジュリアン・ムーアの演技がとてもいい。時に厳しくも、思春期の子どもとの距離感に悩む母親像がありのまま映し出されていて、その不器用さも相俟ってとても人間らしい。他人の子どもへの行きすぎた干渉はきっと、信念だけではなく自分の子どもとの空いた距離感ゆえなんだろう。
息子くんは現代っ子らしさ満点でふわふわしてて芯がない。自己を持っているように見せかけて実は流されやすく、表面だけを取り繕う。そんな息子に母親がかけた言葉、『議論するなら知識を』というのは本当に心から共感したメッセージだった。
SNSによって多くの人の感情や意見が可視化された現代において、誤ったまま垂れ流される情報を見極めるには"知識"が必要で。そこから得られる知見をもって、相手と議論する。そのことを忘れた(或いははじめから知らない)人があまりにも多すぎる。やっぱり映画は大切なことを教えてくれると改めて実感した。
Carly

Carly