いつもいっちゃん

僕らの世界が交わるまでのいつもいっちゃんのレビュー・感想・評価

僕らの世界が交わるまで(2022年製作の映画)
3.7
すれ違う親子。
ジェシー・アイゼンバーグ監督作品!
しかもA24。
どことなくジェシー味があるドラマ。

子に構いたい母と自分の世界を作る息子。
仕事で自らを切り開いた母。
配信で自分を出し成功した息子。
それぞれ恵まれた環境で、何不自由ない生活。
だからこそコミュニケーションをとらなくても成立してしまい、お互いにすれ違う。
会話をしても衝突を繰り返す。
それぞれの心の穴を埋めるための言動がかなり痛々しいが、そこは親子共々似た者同士。
結局埋められるものは近くにあるのに。
空回りし、お互いの環境に視点を向けるまでの小さなお話。
特に母がとる行動がとにかく痛い、、、
息子の子離れに対応できず、向ける先がとにかくそれをしてしまうのかの連続。
会話が苦手。正に喋れるコミュ障。
しかしそんな時こそ大事な距離。
普段別々な時が多くてもお互いを知ること、尊重への第一歩がしみじみ良い。
かなり痛い。少し苦しくなる。けれど良い。
音楽も良い。
ジュリアン・ムーアの演技力の強さと、フィン・ウルフハードの色気が全開!