このレビューはネタバレを含みます
この映画を見てまず思ったのは、改めて、権力勾配に気をつけようと。自分は別に何者でもないけど、子から見れば親だし、歳下の人から見れば歳上だし、マイノリティの方から見ればマジョリティなんだ。力がない方の立場のときは気付けるけど、力がある方の立場のときは鈍感になる。気をつけよう…。
息子を理解できない母、母を理解できない息子。互いに分かり合えず、心の距離が遠く離れている親子。2人はどちらも「自分勝手」で「子供」。でも失敗して傷付いて、その時ようやく母は息子の大事にしていることを理解し、息子もまた母の大事にしていることを理解した。それまで交わることのない平行線な互いの世界が、ついに交わった。という話だった。最後まで見てやっと邦題の「僕らの世界が交わるまで」に納得。
途中は親子の振る舞いに不愉快・気持ち悪さがすごかったけど、最後急に良くなって終わったな〜。キャラクターは全然好きじゃないし、普通に嫌いだけど笑 特にジュリアン・ムーア演じるエヴリンはいい歳なんだしなかなかキツかったけど、まぁ…そういうキャラとして描いてるから…ね…。完璧な人間なんていないもんね、不完全な人間を認められる自分でありたい。
しかしジェシー・アイゼンバーグ、およそ40歳でこういうの撮るんだ。深い。着眼点がなんか若者っぽくなくて、それが良い!(40歳は若者という歳でもないんだけど、映画監督としては若者なんだよねぇ。)尺も無駄に長くなくてそこは若さを感じた。ちゃんと削ぎ落とすことができるって腕とセンスがあるってことだと思う。今後も楽しみ!(最近おじいちゃん監督の尺長すぎあるあるすぎて。)