恋人との死別を期に体は巨大な鯨のように膨れ上がり、日常生活すらままならなくなった。これは極度の肥満に体が蝕まれ、余命幾ばくかになった、脆く繊細な男性の最後の数日間を描いた物語。
登場する人物は極端に少ない。ブレイダンフレイザー演じる主人公のチャーリーと彼を世話するかつての恋人の妹、宗教勧誘員の青年、離婚した妻、そして娘くらい。作品は全てチャーリーのアパートを舞台に繰り広げられる。
にも関わらず全く退屈することがなく、引き込まれ続けた。卓越した構成とブレイダンフレイザーの演技の繊細さが成し得た技だ。個人的にはめっっっちゃ刺さった一作。誰かと観に行くより、1人で観て余韻に浸りながら帰るとなおよし
