らいち

独裁者のらいちのレビュー・感想・評価

独裁者(1940年製作の映画)
4.2
この映画が1940年に公開されたと言うことが未だに信じられない。チャップリンほどの成功者(経済的にも独立して)じゃないと撮影自体できなかったと思うし、彼じゃなければここまで人々の心を打つことは出来なかったと思う。

この作品で最も有名なのは独裁者ヒンケルに似た床屋が行う最後の5分の演説。喜劇王としてのチャップリンではなく、市民としての魂の叫びに胸が打たれた。「ユーモアと悲劇を探究し尽くすことは私の使命、いや芝居のそのものの使命」
この作品は彼に"政治的"なイメージをつけるきっかけになり、人気の低迷を招いたと言われているが、この映画で改めて映画の素晴らしさを感じることができた。


床屋のシーンが好きでハンガリー舞曲の旋律に合わせて髭剃るシーンとか、スキンヘッドをひたすら磨くシーンは腹抱えて笑った。
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