このレビューはネタバレを含みます
この作品は、観賞後、考えれば考えるほど、その作品の素晴らしさに気づけました。
この作品の登場人物は皆、幸せそうに見えません。辛いことを忘れる為に、食べたり、喫煙したり、酒を飲んだり、神にすがったりします。
どれも、度を超えるとあまり良いとは言えないものです。
でも、人は、そこに逃げてしまいます。
現実逃避をしてしまいます。
逃避しないとどうにかなってしまいそうなんです。作品を見ていても、「やりすぎでしょ」と思ってしまいますが、実は、やってる本人も、そう思っているのです。後悔してるんです。
作品中、リズが食べ物を渡し続けますが、それは、リズもそれが分かっているから、死んでしまいそうでもやってしまうのだと思います。
じゃぁどうすればよかったのか。何をすればそうならずに済んだのか、、、。
以前、私の職場でお子さんがいる方がタバコをやめようとしている理由として「子供の事を考えたら自分が早く死ぬわけにはいかないから」と言っていたのを思い出しました。
そう、「自分にとってのかけがえのない何か、誰か」を想うことでしかその現実逃避に立ち向かうことはできないんです。
チャーリーは、その「誰か」がアラン亡き後、娘である事に気付いた時にはもう、手遅れだったんです。
かなり綺麗事で、そんな事分かってて、現実はそうは言っても、、と思われる長文で申し訳ありませんが、この作品を観て、この現実逃避に立ち向かうことは出来ないのかと本気で考えてしまったので記録させていただきます。
そんな上手く行くとは私も思いません。私自身も上手くいった試しがありません。
でも、それしか道がないのではないか。とこの作品を観て感じました。