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ザ・ホエールのhikariのレビュー・感想・評価

ザ・ホエール(2022年製作の映画)
3.9
死期が迫る270kg超えの巨漢チャーリー(ブレンダン・フレイザー)と、チャーリーが愛した男性の妹であり看護師のリズ(ホン・チャウ)が素晴らしいの一言。
最後までチャーリーの家のみのワンシチュエーション室内劇なのだが、
チャーリーが歩行器を使って歩く姿、
床に落ちたものを補助具を使って拾う姿、
ピザやパンを獣のように貪り食う姿、
咳や息づかいもまあリアル。  
何故あそこまで放っておけたんだ、とは思うけれど。とても重くて辛い内容ではあった。ある意味A24っぽさを感じない。
個人的にはピザ屋のダンが印象的で、
何かやばいものを見てしまったかのような差別的な視線が痛かった。
妻や娘エリーに対してチャーリーがしたことは理解し難いが、エリーがあの後、輝いて生きていることを願う。 
人を傷つけようとして、かえってそれが善に転じるというのは少し苦しいなと思うのだが、そのままで君は充分素晴らしいよ、と思うことは必要だとチャーリーを見て思ったのだった。自分を愛せなければ人も愛せない。正直に生きたい。 
最後に、ブレンダン・フレーザーが戻ってきて良かった。また彼の作品が観たい。
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