なだ

ホワイトバード はじまりのワンダーのなだのレビュー・感想・評価

5.0
東京国際映画祭ガラセレクション
名作「ワンダー君は太陽」でいじめっ子だったジュリアンのスピンオフ作品。

原作者が同じR・J・パラシオ。内容は前作オギーの続編ではないですが、ジュリアン役だったブライス・ガイザーが成長して同役を演じています。

これが予想以上の良作で後半は涙が止まらない展開でした😭

「ワンダー」の反響で「ジュリアンみたいになるな」と云う彼自身を否定する世間の評判に対して、いじめた側のジュリアンにもセカンドチャンスがある事をテーマにしているようです。

そのジュリアンの祖母サラ(ヘレン・ミレン)が15歳の時にナチスのホロコーストから助かった経験を孫ジュリアン(ブライス・ガイザー)に伝える物語。

1942年安全だと思っていたフランスにナチスが侵攻、ユダヤ人を連行し始める。

サラと家族はユダヤ人だと特に説明は入らないのですが、ある日突然人種が線引される理不尽さが良くわかる構成が凄い。

映画はナチスから追われる恐怖と匿われて息を潜めて生活するサラをまるで我が事のようにリアルに感じられました。

絵を描くのが大好きなお嬢さんサラと病気で片足が不自由な同級生のジュリアン…2人が逆境の中で心が通じて行く演技と演出が素晴らしい。

2人にどうあっても助かって欲しい、逃げ延びて欲しいと祈る思いで観ていました。

この作品ではユダヤ人を救う事に協力する人々が沢山出て来ます。
当時危険を冒してユダヤ人を助けた人々の気持を想像するに
「間違った世の中で人として当然の行いをしているだけ」

そんな強い意志の行動だったのではないかなと感じました。

ナチス関連の作品はいつも心に迫るものが多くて、本作も本当に恐怖と緊迫感、人の優しさを感じられる作品でした。

間違いなく私にとって満点なので公開前ではありますが💯付けてます。

「オットーという男」「007慰めの報酬」のマーク・フォースター監督とプロデューサーが登壇。
惜しみない拍手👏と沢山の人に今作を見て欲しいと切に願いました。
なだ

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