「ワンダー 君は太陽」に登場したいじめっ子が祖母の戦争体験を聞く話。
続編という事だけど、前作観てなくても問題ないです。
逆に前作観てから本作を観ると、「あんな壮絶な経験をしたおばあちゃんの血筋で、あんないじめっ子になるなんて親の教育悪過ぎだろ…」と感じるかも笑
内容はホロコーストものになるので、前作とは空気感もシリアス度も別作品と言ってもいいくらい異なる。
空想で紡ぐ少年と少女の絆。
「ジョジョラビット」のような可愛らしくも迫り来る戦争の火種にヒリヒリもさせられるドラマはとても良かったです。
そして来る決定的な瞬間をドライであっけなく見せて終わる。
これはやられますね…
人に親切にする事が命懸けの時代。
いじめられっ子に手を貸すといじめの標的にされる構図だった前作対して、本作はユダヤ人に手を貸すと殺されるというあまりにハード過ぎる構図。
前作でも感じた「敵と思った相手が味方に回ってくれる感動」は本作でも健在です。
どちらかと言うと「敵と決めつけてた相手が味方だった」という気付きの意味合いが強いが、より覚悟が決まってます。
戦争の歴史を繰り返さない。
いじめを連鎖させない。
悪意に対抗する為の善意。
残念ながら現代に於いては悪意はまだまだ強いです。
あちこちで戦争は起こり、いじめ抜いて人を死に追いやる事件も起きてます。
本作で掲げるメッセージが虚しく感じるほどに世の中は荒れてます。
だからこそ善意を保ち続ける行為は決して容易いものではなく奇跡と言われるほど尊く偉大な事。
簡単に流されて悪意に乗っかり銃を取ったいじめっ子に放つ「腰抜け」のセリフがとても力強く印象的でした。
こうゆう言い方するとかなり不謹慎だけれど、この手の戦争映画の中ではありがちなストーリーで意外性だったり独自性だったりとかはちょっと弱いです。
掲げるメッセージも普遍的ではあるが、それを分かってても訴え続けるという一歩先を行く落とし所は素晴らしかったです。