Toshiko

ハッチング―孵化―のToshikoのレビュー・感想・評価

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
3.0
2022年、フィンランド。新進気鋭の女性監督ハンナ・べルイホルムの長編初作品らしい。大きな卵やら仮面やらが印象的で、ちょっと観てみたかった。
幸せに見える家族を動画撮影して、毎日のように投稿する母親。この母親がホラー顔の役者で、怖さがまして実に良い。卵をかえす娘はずっと困り顔をしていて、時々泣く。母親に逆らえず、なんでもいうことを聞く娘が痛々しい。一方で父と息子はとてもよく似ていて、発言は時おりするけど弱く、母親が完全に主導権を握っている。
(以下ちょっぴりネタバレありです)












母親の不倫相手が、自分の赤ん坊のひとり娘が危ない目にあった時、きちっと怒ってこの母親と娘を遠ざけた(母親とは別れてしまった)。不倫相手なんだけど真っ当だなと感じさせる人であっただけに、この時に一家は外部で自分たちが異常だと示してくれる存在を失い、最悪の結末から逃れられなくなったのかもしれない。

ちなみに、毛根から毛がまとまって取れちゃうような、皮膚が剥がれる系の描写多かったです。わたしはちょっと苦手。
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