フランケンシュタマチ

ハッチング―孵化―のフランケンシュタマチのレビュー・感想・評価

ハッチング―孵化―(2022年製作の映画)
4.2
一方的な愛情の付与とそれへの見返りの渇望についての残酷な育児ホラー。
独創性を重視するあまり余白や感覚的・観念的な要素が多分にある作品は一部を除いて苦手なのですが、本作はテーマも明解で真っ当な娯楽・ジャンル映画に仕上げていて非常に好印象!

それでいて表現の幅も視点も他国より充実しているしで、秀逸な造形・ビジュアル(某怪獣映画シリーズのアイツとアイツのミックスで最高!)をもっと見れて、終盤であと一歩踏み込んだ展開があれば完璧だった。

子供は親の理想通りに順当に育つはずがないし、見返りを求めるのはおかしいが、いざ自分が親の立場になったら...?
本作の母親を「毒親」として切り捨てることは、自分には出来ない。

一家の男性が蚊帳の外なのも面白い。ハリウッド映画だったら弟が主人公に配置されるんでしょうね。