このレビューはネタバレを含みます
北欧ホラー。
母親に抑圧され、嫌われないように生きている主人公のティンヤが森で卵を見つけ温めたところ、孵化して生まれたのは化け物だった。
その化け物が引き起こす事件で、ティンヤはどんどん追い詰められていく訳だけど、化け物としては親でもあるティンヤの邪魔になるものを排除しようとしているだけ。
ティンヤの自覚のない負の部分を体現しているのかなと思った。
そっくりに成長する前の鳥の姿の時、仕草などが段々可愛くみえてくるのが不思議……。
傷つけられても抑圧されても、母親に対しての愛情、母親から愛情を向けられたいという感情を捨てきれなかったのだろうな。
化け物が母親には手を出さなかった(爪を立ててしまったのもわざとではなく、抱きしめたかったように見えた)のはそういうことかな、と私は感じた。
母親がどうしようもない人物で、誰よりも化け物だと思う……。
それを否定も正すこともしない父親も親としてはどうしようもない。
弟もかなりわがままだけど、母親に見向きもされないのだから、弟も可哀想だなと思う。
ラストは視聴者に委ねる感じ。
ティンヤそっくりに成長し、ティンヤが死んでしまったあと、化け物はどうなるのか。
母親は自分の虚栄のために化け物を娘の代わりにするのだろうか。