試写会で鑑賞させてもらったので、かなり言葉に悩むのだけど、とりあえず私には合いませんでした。
ずーっと「あれ、これって学生の卒業制作とかだっけ?」と思いながら観ていた。
映画の好みは人それぞれなので、あくまで私はそう思ったというだけなのだけど、直接的にいってしまえば、お金を払って観る作品には思えなかったということです。
ストーリーが破綻しているわけではないと思うのだけど、ラストのサプライズ(特に驚きはしなかったけど、「それじゃ結局すべてが無じゃん。爆発シーンで終わる映画と同じじゃん」とは思った)、役者陣の舞台みたいな台詞回し、なんとなく挟まれる前衛的な演出、どれも苦手だった。
撮り方も合わなくて、喫茶店のシーンも謎に遠巻きのシーンが多いんだけど、周りのエキストラたちが「この場所にこういう役として座っています」という感じですごく不自然に動いているのも「だったらもっとメインキャストに寄ってアップで映せばいいのに」と思ってしまったし、なんかちょっといろいろ言いたいことが尽きない。
登場する人物像すべてに共感できないというのも私にとっては大きなポイントだったかな。
特に主人公。
別にクズ人間を主人公にしてもいいけど、女性たちがなぜ主人公を頼るのか、その背景が全然見えてこなかった。
一方、女性同士のちょっとしたやりとりにはシスターフッドを感じさせるものがあって、そこをもっとフィーチャーしてほしかったなぁ、などと思ったり。
でもなんとなく作風から察するイメージで、監督はマッチョイズムを地でいくタイプなのかなーと思っていたら、私がこの作品について否定的なツイートをしたところ「ようやくちゃんとした『否』の意見をいただけて助かります」と感謝のリプライをいただいてしまい、その柔軟な思想と物言いに、ひとつの作品だけで偏見を持っちゃいけないなぁと改めて学びました。