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帰ってきた あぶない刑事のminamiのレビュー・感想・評価

帰ってきた あぶない刑事(2024年製作の映画)
2.9
柴田恭兵スタイルよすぎ問題。
実写版ルパンか???

私は姉(幼少期が再放送時代)の影響で「見たことがある」程度の視聴者なのだけど(でもかたくなにユージ推しというのははっきりしている)、これはファンなら絶対に見に行くべき映画では……。

そりゃ時の流れはめちゃめちゃ感じるし、昭和レトロ感満載の演出もちょっとこのご時世に見ると違和感がある部分も正直あったけど(もちろんそれがいいという部分もある)、でも昔出てきた人物とつながっていたり(私みたいに知らなくても昔の映像を出してくれる安心設計)、おなじみのジャーゴンみたいなのも飛び出したり、前作の監督見たか!?みたいな気持ちになった。

って前作を否定するような言い方になってすみませんって感じだけど、前作は結構私的に「ええ……この監督、あぶ刑事見たことないん???」って思う作風&ストーリーだったと記憶しているので……。
まぁ私こそろくに見ていないので、ファンは前作も楽しめたのかもしれないけど。

今作は、あえて昔の印象を引き継いだ演出、セリフ回しをしているのも、シリーズリスペクト感が伝わってよかったです。

そのうえで今っぽさも出していて、それを一番感じたのはユージの衣装。
いや、こんな場所にこんな格好でうろついていたらめちゃくちゃ目立つよ!?探偵だよね!?みたいなリアルとは程遠い感じはむしろ昭和の演出っぽいけど、いや現代的に洗練されていてかっこよいのよ。

ギラついた糸で織った柄スーツも、ちょっとチャイナっぽいスーパーロングジャケット(?)も、あと普段の白シャツ×黒パン(サルエル?それか腰エプロンしてた?)も、スタイルも姿勢もいいから映える映える。
スタイリストも楽しんで選んだのでは?という衣装だらけで、それが今作の“華”にもなっていてよかった。

あと「ふたりは愛し合ってるの?」の質問と、その返しとして「俺はタカのためなら命を捨てられる。それが愛ならそうなのかな」「俺も」のやりとりがめちゃくちゃよかった。

「男同士で愛なんてありえない」みたいなムードがないのはもちろん、ポリコレ意識しすぎで言わされている感もなく、タカもユージも自分の中から自然に生まれた言葉で話してくれたというか。

それで思ったのだけど、映画館には思っていた以上に若者も多くて、もしかしてBLが一般的に浸透した現代にマッチしたバディものなのかなという気もした。
もちろんあの2人がBLだとかいうわけではなく!

『おっさんずラブ』以降、日本において男性同士の親密な関係性を描く作品が市民権を得たと思っていて、それって同性同士ではケアできない、いわゆるホモソの解体に結びつくのではないかと期待している部分があるのだけど、タカとユージってもしかしてそういう、恋愛ではない、でも友情というよりもっと家族に近い、みたいな関係を昔から地で築いていたのでは?なんてことを思ったりした。

主役2人の年齢を考えると、そして今作のあの「集大成!」感を思うと、シリーズ最終回なのかなという気がするけど、今後も続いてくれたら、未来を照らす道標のひとつになりえる作品になるかもしれないというか。

そしてタカとユージ、どっちかの娘かもしれないという土屋太鳳の存在も似合っていてよかった。
アクションできるし、古い顔というわけではないのだけど、昭和から引き継がれた作品のヒロインにぴったりな顔立ちとか風情もマッチしていて、説得力のあるキャスティングですね。

ちなみに彼女の父はどちらでもなくあの人では?って思った話を鑑賞後、一緒に見た友だちに言ったら「私もそう思った!」って言っていたから、なんかうまい具合に誘導されたんだろうなと思う。
そんなスムーズなストーリー展開もよかったです。
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