rage30

KIMI サイバー・トラップのrage30のネタバレレビュー・内容・結末

KIMI サイバー・トラップ(2022年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

スマートスピーカーから犯罪の音声を聞いてしまう女性の話。

主人公がスマートスピーカーの音声を分析してたり、コロナ禍を舞台にしてたりと、昨今の社会事情を反映させた設定は、なかなか新鮮に見れました。
音声認識の精度を上げる為に、こういう仕事をしている人が本当にいるんですかね?

物語的には、主人公が犯罪と思わしき音声を聞いた事で、陰謀に巻き込まれていきます。
スマートスピーカーが犯罪の音声拾ってしまう…という出だしは興味深かったものの、中盤以降は黒幕に狙われるという、よくあるサスペンスになってしまい、ちょっと物足りなく感じました。
勿論、終盤で諸々の伏線が回収されたり、レイプサバイバーがレイピストに復讐する話になっているのは、よく出来てるし、流石はソダーバーグだなと思うんですけどね。

ただ、折角、主人公を外出恐怖症という設定にしてるなら、最後まで主人公は外出しない方が良かった気もします。
ラストで敵を倒す=トラウマを乗り越えた後に、やっと外出出来る様になる…という展開にした方がよりカタルシスを感じられた事でしょう。
それに家から出れないなら、『search/サーチ』や『THE GUILTY/ギルティ』の様に、密室から謎を解明するミステリーにしても面白かったかもしれません。
音声分析という仕事が珍しいだけに、もうちょっと分析シーンを膨らませても良かったかなと。

決して、悪い作品ではないのですが、それだけに惜しい部分も目立つという感じでしょうか。
まぁ、90分でサラっと見れる作品ではありますし、ちょっとした空き時間に見るのなら丁度良い作品だと思います。
rage30

rage30