このレビューはネタバレを含みます
初っ端から放り込んでくんじゃん、っと思ったらまさかの証拠映像だった感じ?
時系列がコロコロ入れ替わるので最初はところどころ時代を追えてなかったけど、最後に刑務所から出てくるところ、あれは場面の切り替えが素晴らしくて、年老いた姿で扉を跨ぐ姿に胸が詰まった。
「二度と戻らない」ってハンスの言葉。それまでどこか掴みきれなかった彼の意思が強く垣間見えた瞬間。その言葉に本当にひとりぼっちになるのだと悟ったヴィクトールの表情。印象的なシーンだった。
感情の動きがよく見えた映画。特にヴィクトール。強がりだけど弱くて孤独が怖くて、きっと本当はやさしく生きることができたはずの人。段々憎めないやつになっていって、最後はハンスがああしてしまう理由がわかる気がした。せっかく自由になれたのにね。
想像と違う意味ですごく良い映画だった。