Sung

カリガリ博士のSungのレビュー・感想・評価

カリガリ博士(1920年製作の映画)
4.1
これだ、と思った。
サイレント映画はじめて
言葉は必要以上にいらない
補う程度でいい


昔からアルバム一枚分録ってその全てに映像をつけたい、それが自分の一番やりたいことと思っていた
映画を創りたいわけじゃなくて音楽のために映像を創りたい
初めてクイーンを聴いた時、初めて自分の好きな音楽を聴いた時から思ってる

僕のこれまでもこれからもきっと最も好きなミュージックビデオはスマパンの1979
車の後部座席に座る少し老け始めの男性(ビリー)が自らのユースを反芻するように、また他人事のように歌ってる
ひとつひとつ切り取って「アルバム」志向のアート


院長がカリガリに憧れたように、僕は夢野久作の「一足お先に」に音楽を付ける
カリガリ博士はこのお話に似てる
一足お先に、は瓶詰めの地獄の中で死後の恋と一、二を争って好き

1919年のドイツ、sfとドストエフスキーの歌劇、100年付き纏い人を暗雲の中へと誘なった陰を見た


コンラートファイトのような映画を超え時代と調和した人物像

ちょっと全僕がセンセーショナル
最も僕的勢いの研ぎ澄まされた時間を知ってしまったかもしれない

戦前のドイツ、戦後の夢野久作
戦争によって人は丸くなった
夢を見なくなった
ますます冷え込む時世の今、若者の振り翳す「いっぱんろん」、誰かが堪えられないと言えば自分も堪えられない、挑まない思想、隙だらけの拙さ、
死ぬほどくだらない
「ツカレタ」って口にした奴は死ねばいいと思う
僕はもうそういう人間と関わりたくない
現代の汚点、その一点が僕はもう嫌いで全てが嫌い
Sung

Sung