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NOPE/ノープのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

@IMAXレーザー。
SFやホラー、『未知との遭遇』云々といった宣伝文句はミスリードだと感じるほど映画についての映画だった。見る/見られる、アナログ/デジタルを行き来しながら、謎の生物は映画の始祖として知られる映像を流し続ける。ダニエル・カルーヤ演じるOJが謎の生物を見上げるシーンでわざわざ小屋の板越しに撮っていたのはフィルムの暗喩だからだろう。1933年の『キングコング』然り、本来人間の手に余るものは証拠として残らないはずなのに本作では撮れてしまう。2秒間の乗馬の映像のかわりにオレンジのパーカーをきた男が馬にまたがっているショットに塗り替えられた時、画面にタイトル「NOPE(無理)」が出る。
映画への多大なるリスペクトと映画文化の終焉、歴史を書き換えることと自分の居場所を勝ち取ることへの愛情と皮肉をブラックコメディとして見事に昇華したのが本作なのではないかというのが個人的な見立て。
ジョーダンピールもまた映画という表現に向き合いながらだれも成し遂げられない形で2022年に作品を刻み付けた。そんな感慨があった。
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