シミステツ

NOPE/ノープのシミステツのネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

「私はあなたに汚物をかけあなたを辱めあなたを見せ物とする ナホム書3章6節」

このオープニングの一説に尽きる。

ロサンゼルス近郊の牧場で起きた不可解な父親の死。
序盤で撮影班を皮肉的に描くなど、盲目性(馬への)、自己都合もメッセージにある。「The horse in motion」世界初の映画の騎手は黒人だったなど知られていないというところから、映画産業の負、搾取もテーマの一つ。ゴーディの反逆の話などからも「見世物」や「まなざし」というのはひとつのテーマなのかなという気がした。「憶測」ではなく「事実」を見ているか、正しいまなざしを向けられているか、相手を思って見れているか、蔑ろにしたり欺いたりそれは倫理的に間違っていないか。相手には相手の背景もあって、異質だからといって好奇の目で見ないことだ。近年でいうSNSを含めたメディアの悪、動物愛護(見世物としての搾取全般)にも近い話。社会派だけど脳みそ空っぽにして観ても面白い。