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破戒のmarucoのレビュー・感想・評価

破戒(2022年製作の映画)
4.0
破戒 観ました。

国を離れるとき、
被差別部落出身を生涯、口にするな!
絶対に人を信じるな!
そしてここには二度と帰って来るな!
見送りの父との約束を果たす為、
秘匿し、やがて、
小学校の教師として身を置く、
瀬川丑松の半生の物語。

丑松はあることをきっかけに、
侮辱され罵倒され、
謂れなき脅迫さえも受ける。
丑松は、
我が故郷を語れず、
愛しい親の話も出来ず、
こんなに好きな人にも想いを
告げられず、
何故自分はこんなにも、
苦しまないとならないのか…、
さらには、
彼が唯一、尊敬と憧憬の念を抱き、
傾倒してゆく同じく、
被差別出身者の猪子蓮太郎…、
彼との出逢と衝撃的な永の別れ…、

彼はその日たった一人で泣き叫ぶ、
私も身悶えする程悔しく哀しかった。
そして私自身も
この猪子蓮太郎には人として
もの凄く惹き込まれる想いがした。
骨太のしっかりした男だった。

瀬川丑松は人として教師として、
この上なく清廉潔白な人。  
誠実で穏やかで心優しき人。 
生徒の子供達をこよなく愛し、
きめ細かく見守る人。
美しく輝ける人やった。
しかし、
そこかしこに群がるはびこる輩。
丑松を虐めて苛めていたぶり続ける
差別主義の気の狂れたケダモノ共は
「悪」そのものやった。
「悪」の権化やった。
私はそいつらに、
「おまえら恥を知れ!」と言いたい。

「非人」…、
人にあらずは、
お前らのことやないか❗
「えた」…、
とはたぶん穢い(きたない)多いと
書くように思う。

何と言う酷い差別や…、
ずっとそんな憎悪の想いで観てた。

差別は人の心やから簡単には消えない。
きっとそうやと思う。
そして他人と過去は変えられない。
変われるのは、
自分自身と未来だけやと言う。
こんなん使い古された言葉やけど、
でもほんまにそうかも知れへん、

私は、安直過ぎるかも知れへんし、
皆さんに一笑に付されるかも知れん、
せやけどそんなんどうでもかめへん…、

本作鑑賞を契機に、
今後も差別偏見に関わる話には
相手が誰であろうと入らない、
染まらない、無視する。

いっそ一旦、席を外そう。
ほんでその時もし、
自分に少しの勇気が湧いたら
自分のこの今の想いを
少しだけ話そうと思った。

本作の、
思いの外穏やかな仕舞いかたに、
少しエッ?!と微妙に感じつつも、
紛うことなき永遠の幸せを祈った。

マタアイマショウ🤝
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