Kaji

愛に奉仕せよのKajiのネタバレレビュー・内容・結末

愛に奉仕せよ(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

内省的な演技が上手いヨンウジン主演だったので、プラトニックな寸止め色々高まり映画だと思ったら、映画の中盤ほとんど服を着ていないので面食らった。
ホウシャオシェンの「若き仕立て屋の恋」を想像してたんだけども。

床に散乱した服とか、命令口調とか、水で字を書くとか、、ベタな演出がタンス臭かったけど、洗脳に近い思想統制をどう越えるかってテーマだったと思う。

共産主義国、質素で清廉な精神を強要され相互監視される中で閉じこもった二人だけが解放されるという見せ方は、鎖国的な国風と個人の願望が反比例する内容。
イチャイチャは微笑ましかったが、下賜品を壊すとこはなんか笑えてきた。
先生に怒られてる時、おかしくて仕方ない時のような笑いで少し「ここ笑っていいのかな、、」となった。

兵士を炊事兵として従事させる縦社会や階級、男女逆転ジェンダー役割、昇進の方法などいろんな欲望が詰まっている。


しかしながら、内心の解放を性で表現するというのは手法として古い。
枝や唐辛子とか、比喩ももう、わっかりやすいのなんの。
(唐辛子は韓国で男性器の隠語になる)
性のトリガーを外すしか解放の道が無かった、と解釈すればとても悲しい物語だ。

ラストシーン、私的には奥様脱北したんじゃないかと想像した。最初チャイナドレス着てたし。中国に行ったのかな。



中隊解体につながる事件は「ポプラ事件」だろう。
金正成が植えたポプラが伸びて警備視界が悪くなったので、剪定要請が出されていたが、応じられないためアメリカと韓国の兵士が命令により剪定作業を行った。
その際、作業に当たっていた兵士が殺害され、あわや軍事衝突となった事件。
アメリカ・韓国軍がヘリに戦車、空母を沖につけてまで重装備で無警告の伐採作戦を決行し、その際北朝鮮は静観。
金正日の成果づくりだったとの評価もある。
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