緑

不思議の国の数学者の緑のネタバレレビュー・内容・結末

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

超進学校の数学苦手な落ちこぼれ貧乏特待生が
警備員に身をやつしている
脱北してきた天才数学者と出会い、
周囲に内緒で試験のための数学ではなく
数学の真髄を教わり学力を伸ばし、
故に担任の数学教師に目をつけられ、
校内の数学コンテストの問題漏洩という
濡れ衣を着せられて転校させられかけるも、
天才数学者が救う話。

クスッとできて、泣けて、
伏線回収もそつなく、
登場人物の背景もしっかりしていて、
自分好みのバランスの作品。

高校生の学力と南北朝鮮の問題を骨子とした
ストーリーをテンポ良く展開。
劇伴はわかりやすすぎるきらいはあるが
盛り上げ十分。
劇中でのバッハや円周率の曲は美しく、
黒板側から人物を映す演出も楽しい。
役者たちの演技力は確かなもの。

ぐいぐい来る割に、
貧乏特待生の濡れ衣を晴らす女子高生の
動きが鈍かったのはやや不満。

天才数学者が貧乏特待生に
誤答は多いが道筋は合っていると話すシーンと、
ラストの演説には泣いた。

数学がわからなくても大丈夫だった。
今日はダメでも明日またやろうと思うことが、
数学的勇気だという。
この先も数学は苦手なまま
一生を終えるであろう自分でも
他の物事に応用させたい考え方。
緑