きぬのいとまき

LOVE LIFEのきぬのいとまきのネタバレレビュー・内容・結末

LOVE LIFE(2022年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

1回目。
見終わっても心が痛い。彼女、彼らの続く痛みと一緒にいる感じ。 

パクのストレートな感情の表出に、泣かなかった彼女が大声で泣いたところは、泣けた。

パクの世話したり、浴場での頼みの辺りから感じた違和感が、後で分かった。

同じような外観の団地のそれぞれの部屋に、ドラマがある。
もう一回見たい。

砂田アトムは、味があるなあ。バイプレイヤーズのような、おじさんたちのドラマに出演してほしいなあ。

2回目見てみた。
もうちょっと深く分かるかなあと思ったのと、観た後の余韻がえぐい。亡くした苦しさが胸にずんとしたまま、数日たっても残っている。空っぽというか。
何なんだろうと思った。

団地の中の家の風景、似たような団地育ちの私が、子供の頃、ぼおっと何となく見てた部屋の光景と重なる。におい、空気、外のほうのざわめきとか、重なる。
義父母との会話、夫婦のもやっとした会話、その空気感、重なる。

パクさんとの出会いや日本にいること、前の家族との別れ、もう少し知りたい。パスポート持たず、韓国手話で、日本のろうの人たちともつながらず、どうやって日本社会で今まで生きてこれたのだろう。

港に送る道中、夫婦の会話。
後部座席のパクにはどうせ会話は聞こえないからと、同じ空間にいるパクの存在をシャットアウトした夫婦の会話。痛い。

同じ車中でも、釜山では、皆が異なる母語を持つ。おばちゃんのあっけらかんで、彼女もストレートにパクに感情をぶつける。こっちは、気持ちが楽になった。

何か、重苦しくて、もやもやする空気、これが日本の家庭の愛?
うーん、経験してきたけど、
もやもやもやもやもやもや。