深田晃司って、どうしてこう辛くてすれ違う人間関係ばかり撮るかねぇ？
まず子供が死ぬところから始める段階で、きつい。まあ、子供を失った喪失感からくる夫婦の不安定な気持ちが作品のベースになるのはわかるけど、私は子供が死ぬ映画は嫌いです。
「ホームレス」「韓国籍」「外国人の生活保護」「宗教」。いろいろ詰め込んでくるなぁ。
うちも祖母が風呂で倒れて亡くなった後、その風呂は封印したっけなぁ。そんなことも思い出した。
子供の葬式をきっかけに接触する、お互いの元カノ、元夫。
永山絢斗はやっぱりダメ男(笑)、って役の上での話だけどね。でもこの男の優柔不断な行動はまだ理解しやすい。
逆に善意の塊のように見える、妻「妙子」(木村文乃)の方が普通に考えたら理解に苦しむ。
団地の向かい側の部屋、しかも夫「二郎」(永山絢斗)の父母が住んでいた部屋に、無断で元夫を住まわせる？
二郎は優しい様でいて「目を見て話すことができない」。だから、二郎が、聾唖の人に聞こえないのわかってて想いを吐露するシーンはいいなぁ。
「彼は弱いから私がそばにいなきゃダメなの」って、すごいエゴだ。
考えてみれば、この夫婦の愛は、お互いに「弱者を守ってあげる」つもりになっている「愛」だ。
聾唖者の元夫「朴」だけが、最後まで本音を語らない。きっと最後に「なぜ妻子を捨てて出て行ったのか？」がわかるパートがあるんだと期待していたんだが、韓国行ったら余計いい加減で、期待はずれ。
「ただいま」って言えたのはお互いよかったけど、この後２人はどうするのかな？ 見る人に委ねたラストだ。
＊タイトルの『LOVE LIFE』、英語の語感だと「愛」というより「性」をイメージしてしまうので、ちょっと違うんじゃないかな？
