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アダミアニ 祈りの谷のparaのレビュー・感想・評価

アダミアニ 祈りの谷(2021年製作の映画)
4.5
ジョージアの山岳地帯パンキシ渓谷に暮らすキスト人(ほぼムスリム)を追ったドキュメンタリー。
近年はチェチェンから逃れてきた人々も多く、ゲリラ養成所や犯罪多発など血なまぐさい状態だったことからヨーロッパではテロリストの巣窟の谷恐れられ、また多くの人々がジハードのためシリアに渡っていることからジョージア人(キリスト教)からもよく思われていない。
キストを正しく理解してもらうために奮闘する女性たちや悩みながらもキストに残り理解してもらうために奮闘する男性、彼を支えるポーランド女性など。

想いは同じはずなのに、同じ渓谷に住んでいても一枚岩とは行かない難しさ。

様々な問題をいくつかの視点で収めた作品の監督がなんと日本人。被写体たちとの強い信頼関係を窺わせ、また適度というか映画として適切な距離感も保っている。
一体何者かと検索しても出てこない。

戦争は戦いが終わった後も深い傷を残す。
変えていくには子供たちへの教育しかないのだろう。

レイラの母の最後の言葉は幾多の苦しみや困難を乗り越えて生きてきたものの重みがあった。
そして最後気が付いたら涙が出ていた。

みんなが幸せに暮らせるといいな。

監督トーク付き上映回で観たかった…。
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