Gorosuke

かがみの孤城のGorosukeのレビュー・感想・評価

かがみの孤城(2022年製作の映画)
4.0
不登校。引きこもった部屋の奥にある鏡の中に、さらに別の世界が広がるならば、そこは行き詰まったこころの逃げ場になるのではないか、というファンタジー。さらにそれは時空を超えて理解してるれる人と人とを結びつけてくれる希望、というファンタジー。
そう、これは残念だけどファンタジーなんだ。それでも、そこまでしても、優しくて弱い者たちの傷つきやすい心には、寄り添って共感してあげることくらいしかできないという現実を思うと、そこに気持ちが行き詰まってしまう。
…もう学校のことなんて縁遠いし当事者ではないけれど、よく知らない分、この数日真面目に悩んでしまいました。

傷んだ心に休止符を打ち小さく一歩前へ歩み出す結末だったけれど、ファンタジーにはしたくない、希望の光のようなストーリーでした。
そしてこれとよく似た光は『朝が来る』のラストでも見たことを思い出しました。
辻村深月を読んでみようと思う。


司会進行役のオオカミさまの声、人懐っこく誠実な人柄が滲み出ていて、素直に物語に入れました。彼女だったんですね。
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