半兵衛

エドワールとキャロリーヌの半兵衛のレビュー・感想・評価

エドワールとキャロリーヌ(1951年製作の映画)
4.0
些細なことからのすれ違いによる夫婦喧嘩の顛末を、コミカルさと仄かなエスプリを交えて飽きることなく楽しませてくれるジャック・ベッケル監督による演出の素晴らしさに感動。個性的な登場人物たちが集まる演奏会のやりとりも面白くて、一見すると偉い身分ではあるがそんな彼らの俗な部分を巧みにおちょくる演出もお見事。

でも一番唸ったのは冒頭と同じ場所に戻っていくラストで、絵巻物を意識して映画を作っていたという溝口健二監督の作品がフランスで受けたのもこうしたセンスを面白がる土壌があるからなのか。

夫婦がお互い別の道を歩んでしまったようで、実は同じ物を見ていたことがあることでわかり氷解するラストもgood。
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