物語は前作『Zombi Child』にも登場した Louise Labèque 演じる名もなき少女の視点で語られる。彼女は作中で自分の部屋から一歩も出ずに、18歳というかけがえのない一年を過ごしている。部屋は過去のもの(物質と記憶)で溢れており、恐らく暇すぎて引っ張り出してきたのであろうドールハウスやバービー人形がベッドに向けて置いてある。また、少女はカリスマ配信者パトリシア・コーマの動画を何度も観ており、彼女が狂言回しとして物語を引っ張っていく。映画は少女の生活、バービー人形を用いたソープドラマ、パトリシアの動画、夜の森を彷徨う悪夢で構成されており、それらが相互作用しながら互いを往来する形で進んでいく。