WAR太

シャイロックの子供たちのWAR太のレビュー・感想・評価

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)
3.9
金を取るか。真っ当な人生を取るか。

今回の池井戸作品は渋めの話。
キャラクターが実社会にいるいるってなるけれどしっかりとした存在感でした。
それぞれの目的、行動原理がはっきりしていてみていてモヤモヤする所が無く流石池井戸作品。
おそらくどこにでもありそうな話をエンターテイメントとして描くのが上手い。

物語は8年前、佐々木蔵之介演じる黒田のギャンブルの為の横領のシーンから始まります。
「金は返せば良いものではない」
とても印象的です。

そして8年後、佐藤隆太さん演じる優秀社員滝野と見るからに悪そうな不動産会社社長の石本との10億円の融資に関する話から本格的に話は始まります。
なにやら弱みを握られながらも書類偽装など悪行に手を染めます。

一方同支店で百万円の紛失事件が発生、阿部サダヲさん演じる課長代理西木の人間性が色々と紹介も兼ねて活躍。

10億円融資と紛失した100万円。

さまざまな人間が関わりながら物語は後半怒涛の展開で荒みます。

誰が何故百万円を紛失したのか
10億円の融資の最後はどうなるのか。

物語の根幹は「金か魂か」
作品の波は他の池井戸作品と比べて少ないですが自分としてはめちゃくちゃ面白かったです。
会社で経理をやってるので色々思う所がありました。

阿部サダヲさんの演技は中々クサいですが素敵で他にもこういったCGとか使わず話だけでエンタメとして成り立つ映画は柳葉敏郎さん、杉本哲太さん、上戸彩さん、玉森裕太さんなどなど演者さん達の力が光ります。

働く人は是非見てほしい。
何のために金を稼ぐのでしょう?
WAR太

WAR太