池井戸潤作品の映像化作品にはずれなし。
不正&権力に立ち向かう優秀な人間という構図からは外れない。些細な実際に起こるであろう、かつ非金融系でもイメージがしやすい100万円現金紛失事件が銀行で起き、それがきっかけで色々な事が明るみに出る。
シャイロックの子供たちとあるように作中ではあらゆる罪を背負った人間が出てくる。不正を行った時点で真っ当な銀行員にはなれない、というセリフをいうものが正しいわけではない。
あの世界は不正が常なんだろうと思う。
4.5になりきれない理由はロジカルな思考の場面の見せ場が薄く、また巨悪というほどでもなく、良い意味でも悪い意味でもスケールの小さい、話であったから。また、カタルシスなども薄く、あまり積み重ねられていないように思えた。感情の振れ幅は小さく、大きく揺さぶられることもなかった。