このレビューはネタバレを含みます
まさか令和にもなってこんなゴリゴリの1980年代風B級モンスターパニックが見られるとは思わなかった。
最初のクレジットから既に80年代風作品であることが暗喩され、最後に至るまで決してブラさない軸が好印象。
中世ヨーロッパ風の気品の中に、その裏側にある下品さや下賎さ、中流階級以下の笑いが込められている。
意味もなく入るエロスや、現代ならすぐに編集できるところをそのまま良さとして残している。
The Fly(1958)やALIEN(1979)、The thing(1951)などを意識した作風は、これらのファンであれば必見。
しかしそれ以外に何かカタルシスがあるわけではないため、どう足掻いても傑作になることは無い佳作という評価だろうか。
スプラッタ要素は最近流行りの痛い系ではなく、死体損壊系なので、そちらも苦手な人は注意。
遊星からの物体Xも顔負けな生命力を誇り、四肢を切断した方が厄介なんじゃ無いかと言うほど。
固体での戦闘力は然程でもなく、撃てば死ぬし、額縁で頭かち割られる程度には脆い。こいつの厄介さは繁殖能力。