友人から繰り返し薦められていた『オールドボーイ』が4Kレストア上映されることになったということで、映画館に行ってきました。
本当に素晴らしい作品でした。バイオレンス、サスペンス、ラブロマンスが高い水準で掛け合わさっており、しかも全ての要素が人間性の発露というテーマへと収斂する構成でした。どの要素が欠けても作品の深みがなくなるという点で、上手いというより凄いという感じです。
各シーンが印象深いのですが、やはり本作は「愛」の物語だということでしょう。ネタバレになるので詳しくは書けませんが、「愛」をこれほどまでに純粋に描いた作品はそうそうないのではないでしょうか。丁寧かつ大胆な作りと、ちょうどいい伏線の量とクオリティによって、ラストシーンの意味が本当に深く遠くなっています。エンドロールは4Kで本当に良かったと思います。
『オールドボーイ』というタイトルも考えさせられます。主人公の欲望や解決の仕方など、まさにボーイ（少年）なのです。「年老いた少年」は本作の登場人物だけでなく、まさに私たちなんじゃないでしょうか。良い作品でした。本当に良かったです。
