彦次郎

ラスベガスをやっつけろの彦次郎のレビュー・感想・評価

ラスベガスをやっつけろ(1998年製作の映画)
2.8
1970年代記者ラウルと弁護士ゴンゾーのドラッグ中毒コンビは取材で一儲けしようとラスベガスに向かうものの酒とクスリで支離滅裂な行動をとっていくドラッグムービー。監督は『12モンキーズ』のテリー・ギリアム。記者のほうはジョニー・デップ、弁護士のほうはベニチオ・デル・トロが演じています。ただの出演でなく”ベニチオ・デル・トロは役のために体重を20キロ増やし、ジョニー・デップはラウルのモデルである原作者ハンター・S・トンプソンの付き人となって彼の仕草や癖をマスターし、髪を剃って彼と同じように禿頭にした”(wikipediaより引用)する徹底ぶり。他にもビビッて逃げ出すヒッチハイカーがトビー・マグワイアだったりゴンゾーが目をつけるリポーターがキャメロン・ディアスだったりと俳優陣も豪華。
話の方はというとおクスリが決まってホテルの部屋を滅茶苦茶に荒らすのが多く原作者であるハンター・S・トンプソンの心象風景みたいなものなっています。オシャレっぽくて好きという方もいるでしょうが未成年のルーシーをヤク漬けにして売春させようと計画したり(実行はしなかった)ウエイトレスにナンパ失敗したらナイフつけつようと脅したりと陰湿ではないにせよ人間性の破綻が共感しがたいのが率直な感想です。
偶然でしょうが制作年・クスリの決まり具合の表現・モノローグなどから『トレイスポッティング』の影響が感じられますがドラッグを初めて悲惨な死を遂げる人もいないためか心に刺さるものがありませんでした。もっとも後年ハンター・S・トンプソンは拳銃自殺していますが…。
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