ゆき

夜を走るのゆきのレビュー・感想・評価

夜を走る(2021年製作の映画)
3.8
いってらっしゃい

「優しい人は悩み、虐げられる」のです。
そして“素敵なお顔”を世間に晒していく。
いい意味で感情の置き所がわからない作品でした。
脳と心を洗えと言われているような、洗車シーン。
谷口の生活だけがやたらリアルで、「良い人」のレッテルに囲われた秋本が虚構に思えてしまう不思議。
きっとどちらも普遍的。
きっとどちらも変わってはいなくて、周りの変化が夥しいだけ。
クズ鉄を再生する鬱々とした日常で、波風立てずにいた男の分岐点を見せつけられる時間。
フレーズと存在の反復とトラウマ的ダンスのも然り画のパワーがすごい。
普通ってなんだろう、あれ…見える?
***
実家暮らしで恋人もおらず仕事にうだつの上がらない不器用な秋本。同じ職場の谷口は家庭と外での恋愛も仕事もそつなくこなす。対照的な2人だが、ある夜を境に人生を見つめ直す。
ゆき

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