ゆき

悪は存在しないのゆきのレビュー・感想・評価

悪は存在しない(2023年製作の映画)
4.2
バランス

反復される画が保たせるリズムと感情の循環を見つめていたら、どかんと食らう展開が待っていた。
言葉を交わそうとも、関係の行き止まりはどこからか訪れる。それをよぎらせるような不穏さに集中力はどんどん高まる106分。
この物語は会話の中のヒントを回収するのがとてもスマート。くすっと笑えるシーンもあり、緩急がDV級。
伸びやかな楽曲と自然の調和がとても心地いいのだが、時折なんの目線かわからないカメラワークがあるのが印象的だった。
善か悪か、判断を濁らせる一作。私たちだって手負いの状況なら何をするかはわからない。
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長野の高原の小さな町。自然豊かで水がきれいな街には移住者も増え緩やかに発展してきたが、グランピング施設の建設計画が突如持ち上がった。
ゆき

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