ゆきんこ

さかなのこのゆきんこのレビュー・感想・評価

さかなのこ(2022年製作の映画)
4.0
「好きに勝るものなし」

さかなクンの自叙伝の映画化。
原作を読んではいないのでどの程度創作が入っているのかは不明だけど、とてもいいバランスで見やすかった。
最初はなんでさかなクンの役を女性にしたんだろう?と思った。でも見始めたらのんのあっけらかんとして飄々とした感じがとても良く、男女の差はあまり気にならなかった。
そして、私の中では磯村勇斗がとにかくよかった!きのう何食べたから好きな役者さんだったけど、今回で完全にファンになった!

ミー坊がただの一度も自分自身や自分の大好きな「お魚さん」を卑下していない。これが本当にすごい。尊敬する。
「なんか変」「普通じゃない」とどれだけ周りにけなされても、「ミー坊はお魚さんが好き」という芯が絶対にブレない。しっかり根を張っている樹みたい。こういうのを真の自己肯定感っていうんじゃないだろうか。
そして、その芽を育んで見守ってきたお母さんもすごい。だって、「子どもの好きにさせる」って言葉で言うのは簡単だけど、信じられない胆力と忍耐力が必要だもん。
私はつい子どもたちに口出ししてしまうから…こういう包容力のあるお母さんに憧れるなあ。

さかなクンが以前ラジオに出演していた時に「自分はとても幸運で、いい出会いに恵まれてこの状況にいる」とお話していた記憶がある。でも、それは彼が諦めずに妥協せずもがき続けたからじゃないかな。私だったら「あー!もー!何やってもうまく行かねーな!」って、自暴自棄になるもん。
もちろん幸運だったけど、「お魚博士」になれたのは腐らずに前を向き続けた彼へのご褒美じゃないかな。

2024年 1本目
ゆきんこ

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