二瓶ちゃん

柳川の二瓶ちゃんのレビュー・感想・評価

柳川(2021年製作の映画)
4.3
知り合いの絵描きが公開当時見たがっていた(けど公開舘数的に見れなかった)ので。

CHINA FILM ADMINISTRATION HUANXI MEDIA GROUP LIMITED (BEIJING) hisbw MID NIGHT BLUR FULMS

【静かな中国映画です】

エンタメ作品とは少し違う作品。若き日の懐古、初恋を中心に添えながら急に走ったり踊り出したり。川やカーブミラーを使ったカメラワーク。人物をできた画角から超遠景で撮られるというのも良かった。

池松さん含め日本の切り取られ方もうるさくなく、水が流れているものの、少し乾いたような絵だったのも良かった。

ヒロインのチュアンが本当に可愛い。

一言で片付けるならホモソーシャル的でうるさい兄と、物静かながら考え者で変わり者の弟。この二人のコミュニケーションにも良さがあった。

一羽でいじめられるカラスの話を、居酒屋のおばあちゃんとチュアンでするシーンも良かった。対話どころじゃなく全然わかりあえてないようでわかっているような言葉たち。

池松の娘のことはどうなったのか描かれないが、チュアンの少女期の出来事も踏まえて、設定が巧みだと思った。

仰々しくもなく、センスを感じる。こんな中国映画を見たのは、私は初めてかも。

日本を一部舞台にした、過去のラブストーリーという意味では「ユンヒへ」とかが近いかも。

チュアンの唄良かったし、初恋から人生の無常さまで感じさせてくれたし、センスがいい。

終わり方が気持ち良かったためか、何だか鑑賞後感もいい気持ちになれたのでこの評価。

水のように流れ、水のように踊る映画。