Kaji

猫たちのアパートメントのKajiのレビュー・感想・評価

猫たちのアパートメント(2022年製作の映画)
3.5
人の棲家をもっと人用にするために追い出されて行く猫たち。

それまで団地の中で、餌に困らず、増えすぎてナワバリ争いに明け暮れることのないよう適切な避妊と去勢で管理が入りながら、春は陽射しで暖まったマンホールの蓋にゴロリ、夏は日陰、秋や冬は誰となく用意する毛布の家にいた猫たち。

干渉しすぎず理想的な地域猫の在り方が見える前半の平穏さから、徐々に人気が無くなり、ゴミが散乱し、閑散とする団地。

猫を呼ぶ声がよく響くほどなんだか心配が高まる。

「遁村団地猫の幸せ移住計画クラブ」の皆さんの同じ住民として猫を案じている姿がひたむきで、猫と話せたら、どうするのが猫の幸せか話し合えるのに、と心を砕く姿にただの猫好きというのではない情熱を感じた。
Kaji

Kaji