KnightsofOdessa

雪之丞変化のKnightsofOdessaのレビュー・感想・評価

雪之丞変化(1963年製作の映画)
3.5
[] 70点

父親を自殺に追い込んだ人々を殺す役者の話。"ナメてた相手が殺人マシン"系映画の系譜にあるが、復讐する相手がパワー系じゃないので力の指標として江戸の怪盗やら古いライバルやら別の人たちが出てくるのが面白い。怪盗の一人でなぜか雪之丞に協力してくれる闇太郎という男も長谷川一夫が演じている。また、シンプルさを突き詰めたセットは雪之丞が役者ということもあって横に長い"舞台"として見せていて、その奥行のなさが徹底的に虚構としての物語を際立たせているのが良い。銃の狙いを定めるために片目を隠した山本富士子もかっこいいけど、一番は若尾文子がひたすら可愛い。例の本には黒澤明、小津安二郎の次に市川崑が3本選出されてるんだが、多分もっと良い作品はいっぱいあるはずなのでそのうち深堀りしていきたいところ。
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