eulogist2001

君たちはまだ長いトンネルの中のeulogist2001のレビュー・感想・評価

4.0
なんとも小気味良い。かなり単純化されているが本質的なところは正しい。

・プライマリーバランスのウソ。これはいろんなところで言われ尽くしているが、マスコミでは性懲りも無く繰り返し、国の借金は悪だという説。
・政治家は選挙に通ってこそ政治家。献金や票が取れる組織や団体には右顧左眄。経済団体、政治団体、農協、金持ちには有利な施作を取るのは日々のニュースを見るまでもない。
・先日のNHKスペシャルであった日銀の金融緩和の内部で進めた人々のドキュメンタリーには度肝を抜かれたが、ほとんど本作の主張と符号している。当事者そのものも消費税アップのタイミングは問題だったのだ。
・MMT理論についても拡大縮小した切り貼りでご都合的な解釈が多いが、本作の説明はその通り。
・日銀も自分のクビを政治家が握ってるので逆らうわけにはいかないのだ。まして政策が失敗しても彼らが責任を取ることもない。
・選挙も浮動票は与党に流れるのは周知の事実。だから、浮動票となる若者や都市生活者が選挙に行かないような空気感は常に拡散されている。そもそも政治的であることを胡散臭く見るような目線があるが、それは常に既得権者に有利にしか働かない。
なにもしないのは、実質的には現状肯定にしかならない。

18歳以上の若者こそ、本作品は観るべきだろう。ともあれそうした側面を抜きにしても、めちゃくちゃスッキリできる。エネルギーが充填される怪作。
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