eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価

eulogist2001

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映画(1690)
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オーダー(2024年製作の映画)

3.6

カルト思想に染まった人間の怖さがよく分かる。ある意味「マジメ」だから、迷いや躊躇がない。それは他者を惹きつける魅力にもなる。

トランプの下FBIの弱体化は進むだろうが、ほんとうにそれで良いのか。まさ
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碁盤斬り(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

骨太の時代劇。シンプルなストーリーながら紆余曲折が鮮やかに盛り込まれ飽きさせない。

草彅剛がほとんど地に近い感じで役柄と融合してるようだった。脇役もバランス良く配されて見応えあり。タイトルもなるほど
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声もなく(2020年製作の映画)

3.8

なんともやり切れない。ただどこか彼の未来が良きものである事を祈ってしまう。
シナリオも秀逸。
※ラストはひとによって好悪が分かれるかもしれないが、わたしは「うわー、やられたー」感。気に入った。

青年
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Valimo(2007年製作の映画)

3.4

短編。鋳物工場のいかつい労働者の断片が生々しい。

Bico(2004年製作の映画)

3.6

短編ながら、この村の様子がよく描かれている。

ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

3.8

ラストシーンは見物。ここに至るまでをじっくりと楽しみたい。

「次に渡す」自分以外の3人に善行する。
「一日一善」の3倍となるがw影響はねずみ算となる。この違いは大きいかもしれない。

美しく利他的な
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ソイレント・グリーン(1973年製作の映画)

3.5

衝撃的なラスト。当時としてはかなりの問題作だったのかな。

チャールトン・ヘストンの存在感。名優とされるだけのことはあった。

70年代の性差別というか男女の関係性が図らずも良く出ている。平気で女性を
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小学校~それは小さな社会~(2023年製作の映画)

4.0

コロナ禍初期の世田谷区立塚戸小学校。その1年生と6年生中心に1年間を追うドキュメンタリー。

いたって普通の子供たちだろう。おそらく日本中の小学校で似たり寄ったりの教育や生活が営々粛々と営まれているの
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止められるか、俺たちを(2018年製作の映画)

2.9

このレビューはネタバレを含みます

学生運動盛んな60年代末から70年初頭。ピンク映画の巨匠若松孝二事務所の活動を描く。

小道具含めて時代の雰囲気を出そうとしていたが、やはりどこか違う気がした。それは良くも悪しくも過剰な精神的で肉体的
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トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦(2024年製作の映画)

3.9

後味スッキリ。スカッとして気持ちがいいです。といってもそこに至るまでがなかなか。世代をまたがる復讐劇。それを超えた友情。とんでもない気功の使い手との死闘。

その背景に香港の怪しげな廃墟のようなビル群
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フォールガイ(2024年製作の映画)

3.6

なかなかのスカッとする作品。気楽に観るには最適かも。

占領都市(2023年製作の映画)

2.6

このレビューはネタバレを含みます

自分には合いませんでした。4時間、苦行に近かったです。以下、未鑑賞や高評価の方は読まないでください。

現在のオランダの都市とナチス占領下のそれを重ね合わせたい意図は分かるのですが、その手法は現在の都
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お坊さまと鉄砲(2023年製作の映画)

3.9

このレビューはネタバレを含みます

劇中のサスペンスタッチの不穏な展開。ラストはうわあってうるうるしてしまう感涙。そう来るのかぁ。あっぱれとしか言いようがない。さすが幸せの国ブータンだ。

それにしてもいつの間にか王国から民主制に移行し
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どうすればよかったか?(2024年製作の映画)

4.1

さまざまな想いが浮かんだ。

・他人よりも優秀であるがゆえ、そこからこぼれ落ちることへの不安から既存の価値観や行動に囚われる呪縛
 →かなり周りにもいる

・人よりも優れている自覚が、他者へ助けを求め
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型破りな教室(2023年製作の映画)

4.0

すばらしい。テーマは古くて新しい「教育」。画一化された詰め込み教育ではなく、子どもの学びたい欲求を引き出す教育(サポート)。

それを事実をもとにドラマチックに描く。教師役も生徒役もみな自然体でじわり
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お引越し(1993年製作の映画)

3.2

田畑智子の演技に感服。それに尽きるかも。当時、まったく観ていないが、きっと天才子役だと思ったに違いない。(さすがに現在の彼女を知ってるので、そこはかなり間引きされてしまう笑)

ミッシング(2024年製作の映画)

3.0

体当たりというか温度の高い演技を石原さとみが熱演。それをどう観るかによって本作の見方も変わってしまう気がする。

小さな子どもを抱えた奥さん(子どもの存在が絶対的なもの)がターゲットなのだろうか。立場
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太陽の下で 真実の北朝鮮(2015年製作の映画)

3.8

北朝鮮の「洗脳」の凄まじさを目の当たりにした。主体思想という名の個人崇拝。すべてがそのための教育であり、システム。

「自由」とはなにか?を学ぶには格好の題材。自由主義国家に生きる人々は必見⁈

それ
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沖縄狂想曲(2024年製作の映画)

3.8

日本がアメリカの「属国」たることがよくまとめられている。悪どい政治家や無能な官僚が、そして安倍や麻生の土建業者や兵器産業たる三菱、IHI、川重などが儲けるために、アメリカも縮小したがる沖縄の基地をなお>>続きを読む

不思議の国の数学者(2022年製作の映画)

3.8

義憤。大いなる義憤に気持ちが揺さぶられる。こうした作品も韓国映画には数多い。本作もそんな一本。

学校の警備員が脱北してきた天才数学者だという設定も奇天烈だが、そこのダメな生徒との友情を描くというのも
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ロスト・キング 500年越しの運命(2022年製作の映画)

3.8

めちゃくちゃ感動した。実話というところにも驚きしかない。

リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

シナリオが秀逸。2分間の繰り返しをうまく使っていて、飽きなかった。

演技もちょうどいい感じの素人感で、逆にリアリティを感じた。ユーモアもよい加減だった。

愛しきソナ(2009年製作の映画)

3.8

本作でヤン監督の作品4作をすべて観ることが出来た。

日本と北朝鮮。自由や人権が当たり前の国家と個人崇拝の専制国家。戦後、両親は大阪に暮らしているが母国として北を選び兄3人は70年代に渡航。

北朝鮮
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ルックバック(2024年製作の映画)

3.8

すばらしい。心の機微を柔らかく深く丁寧に描く。そしてそこにドラマがある。

漫画家志望の方が観たら、堪らん気がする。
※原作は読んでいたけれど、アニメ化されるとこんなに違うのかと驚きもあった。

石川文洋を旅する(2014年製作の映画)

3.8

ベトナム戦争に4年近くも従軍して撮影したカメラマン。75歳になった姿を描く。

彼は沖縄戦の直前に4歳で沖縄を離れ、玉砕戦となった沖縄の惨状を偶然、直接体験せずに知らずに育った。

石川の言葉
・「状
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アイミタガイ(2024年製作の映画)

4.0

ツボに入りました。相手への健気な気持ち、つまりは見返りを求めた善意や損得勘定ではないおもいやりに満ちている。それを相身互いと呼ぶかどうかはともかく「無償の愛」は過去からも現在からも未来からも周りまわっ>>続きを読む

遥かな時代の階段を(1995年製作の映画)

3.6

なかなかのハードボイルド。前作に続いて楽しめた。

我が人生最悪の時(1994年製作の映画)

3.6

どこか懐かしい構成とシナリオ。主役のキャラも魅力的。モノクロ作品である点もノワール映画として合点がいくもの。

続編がたのしみ。

人生をしまう時間(とき)(2019年製作の映画)

4.0

隣町珈琲にて鑑賞。
在宅医療を担う現場のドキュメンタリー。新座市の堀之内病院の医師であの森鴎外の孫にあたる小堀鴎一郎さん(当時80歳)のチームを追う。

患者は90歳を越える高齢者(中には103歳の女
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かもめ食堂(2005年製作の映画)

3.8

クセのある女優3人。フィンランドの日本食堂で繰り広げられる人間模様。

ほんわかとした雰囲気。家具も服装も北欧のカラー満載でとってもオシャレ。そこに透明な深い哀しみがスパイスとして隠れている。おにぎり
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しあわせ食堂(2019年製作の映画)

3.6

オーストラリアのギリシャ料理店。そこに働く人々の悲喜交々を描く。

ほんわかとなる佳作。想像を超える人間模様。着地点が絶妙で感心した。

ナチスの強制収容所/ナチス絶滅収容所(1945年製作の映画)

3.8

Amazonでは別々の作品となっている。各地の強制収容所の開放後の様子をアメリカ軍の通信部が撮影したもの。

モノクロなので生ぐささは漂わない映像ではあれど、観てて苦しくなるものばかり。それは遺体その
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シュリ デジタル・リマスター(1999年製作の映画)

3.4

なかなかシナリオは凝ってる。政治(南北統一)と南北の諜報員との恋愛を組み合わせるのは韓国映画のひとつのラインとしてあるのは見て取れる。本作もその王道のような作品か。

実際に分断している韓国のひととそ
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シビル・ウォー アメリカ最後の日(2024年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

暴力や殺し合いの無意味さが深く刺さってくる作品。「戦争」という状況下におかれただけで、こうも無慈悲に暴力的になれるのか⁈

たぶん、それは哀しいかな事実なんだろう。集団心理のなかでは統一的なシンプルな
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水俣 患者さんとその世界(1971年製作の映画)

3.8

167分のドキュメンタリー。有機水銀を原因とする水俣病の患者や家族一人ひとりに話を聞く。もちろん病により意思疎通が難しい患者も多い。
そして遂には、株主総会で患者の皆さんとチッソ社長との対峙までを描く
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魂の殺人~家庭内・父からの性虐待~(2023年製作の映画)

3.8

親族による性的虐待については、表面的なイメージしか持っておらず、本作ではじめて被害者の生の声に触れた次第。

性被害は「魂の殺人」と言われることの実態がほんのすこし理解できた。人知れず精神的に追い詰め
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