eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価

eulogist2001

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ブータン 山の教室(2019年製作の映画)

4.0

心が洗われる。まさか映画評でこんな表現をしようとは夢にも思わなかった。

都会と僻地。文明と未開。モノと精神。素朴さと欲望。単なる対比ではない。豊かさとはいったい何なのか。深く考えさせられる。

月並
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ジョシュア: 大国に抗った少年(2017年製作の映画)

3.6

ジョシュア・ウォン。学民思潮のリーダーであり、10代の香港民主運動の象徴。国民教育撤回からの雨傘運動の79日闘争の敗北。その辺りまでを描いてる。今となってはまだまだ香港が自由と民主主義を守れるのではな>>続きを読む

オードリーとデイジー(2016年製作の映画)

3.6

性暴力の被害者が背負う苦しみがよく分かる。未来を悲観して自殺する者や自分が悪いと思い込みメンタルを病むもの。そしてそもそも顔を出すことへの羞恥心や根も葉もない風評被害を恐れて被害を訴えられないもの。>>続きを読む

ショート・ターム(2013年製作の映画)

3.2

ヘビーな話だが、ハートウォーミングなラストで良かった。

独特の緊張感もあって、サスペンスもある。ここじゃないどこかで一時を過ごす映画として楽しめた。

初恋のきた道(1999年製作の映画)

4.0

完全にツボ。健気。一途に誰かを思い続ける気持ち。それは小さな頃からの感激してしまうど真ん中にある。

本作もシンプルな構成ながら、じっくりと力強く描く。もおたまりません。宗教的な祈りや芸術的な輝きや哲
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記憶の戦争(2018年製作の映画)

3.2

構成としては平凡。インタビューが浅い。民間法廷でのカメラもどこか迷走していてピンぼけ気味。被害者への労りに寄り添い方や韓国への批判には乏しい。少し上から目線も感じた。加害者である韓国人の監督の限界か。>>続きを読む

エターナルズ(2021年製作の映画)

3.8

アクションと壮大なものがたり。充分な資金を掛けてるのがよく分かる。

その迫力に負けて何度か不意にウルウル。アメリカのエンタメとしての映画ってこういうのだよなと久しぶりに思えた。シナリオも練りに練られ
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SEOBOK/ソボク(2021年製作の映画)

3.6

不死というテーマの中にいろいろな変奏があり、楽しめた。

永遠に死なないという事も限りがある生というのも、終わりが何なのかわからないという点では似ているし、その意味ではどちらも確かに恐怖ではある。
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フォックスキャッチャー事件の裏側(2016年製作の映画)

3.2

大富豪がレスリングの金メダリストを銃殺。被害妄想を膨らませてのことにも思えるが、有罪。そこに至るまでの軌跡を辿る。

殺されたメダリストはもちろん不幸だか、デュポンの物悲しさは深い。

資産家として太
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ユダヤ人の私(2020年製作の映画)

3.4

岩波ホール 28人/192席
105歳になるオーストリア生まれでザルツブルグに住むマルコ・ファインゴルト。ユダヤ人である。
その彼のモノローグ。そこに時折、戦時下のニュースやヘイトメールなどが挟まる。
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消えた16mmフィルム(2018年製作の映画)

3.8

ドキュメンタリーなのだが、フィクションにも思えた。過去の記憶や事実もどこをどうやって切り取るのかによって「物語」の意味は変わる。まさに映画の編集作業をひとは頭の中で行ってるのを感じた。

そして人生と
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シチリアの恋(2016年製作の映画)

3.8

チョウ・ドンユイが出てるので傑作。笑。
しかし、どんな役でもこなすなぁ。しかもピタリとハマるを少し越える。その加減が素晴らしい。

こうしたピュアな役やらせたらほんとうに右に出るものいないのではないか
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血筋(2019年製作の映画)

3.8

民族や国家などをさておいても面白い。タイトルは「血筋」だが、(日本人的には血のつながり)のほうがしっくりとくる。

まだ二十歳の監督は中国の朝鮮族として生まれたが、両親が4歳の時に離婚して、母親と一緒
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RAW〜少女のめざめ〜(2016年製作の映画)

3.2

このレビューはネタバレを含みます

Blu-ray
RAWって人間の生肉なんだね。人間の肉の味に目覚めてしまい、その欲望をどうにも抑えきれない。

美しき姉妹の嗜好は実は母親から譲り受けたものだった。

ホラーというよりサスペンス感たっ
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ボストン市庁舎(2020年製作の映画)

3.2

なかなかの長尺。4時間半。インターバルが途中10分入るがオジサンには眼精疲労は否めない。

ドキュメンタリーとしてこの内容を描くにはこの時間でも足りないくらいかもしれない。もちろんテーマが一貫してるの
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閉鎖病棟ーそれぞれの朝ー(2019年製作の映画)

3.6

笑福亭鶴瓶と小松菜奈が素晴らしい。二人とも難しい演技を体当たりで演じている。繋ぎ役ともいえる綾野剛が霞んでみえるほど。

精神病院の閉鎖病棟という設定だけでもかなり特殊な状況。さらには死刑での死に損な
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彼女が目覚めるその日まで(2016年製作の映画)

3.8

原題は”Brain on fire”「燃えてる脳」とでも訳すべきか。邦題は「彼女が目覚めるその日まで」。物語の内容からすれば悪くはない。わたしなら「世界が彼女をみつけ直した日」としたい。

抗NDMA
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グリード ファストファッション帝国の真実(2019年製作の映画)

3.0

アパレルの闇(途上国の安価労働での搾取)や富裕層と貧困層の格差。難民問題や移民の差別。脱税や傲慢なワンマン経営。焦点がいろいろあり過ぎて少し印象が薄くなってる。

マクリデイのお金に倒する執着はよく出
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イントレランス(1916年製作の映画)

3.0

憎悪と不寛容。古代キリストの時代、バビロンの時代、パリの中世、現代の四つで描かれる。

映画の父と言われるグリフィス監督の作品。105年まえとは思えない。しかしいかんせん当たり前だが画質が悪く、無声映
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君の結婚式(2017年製作の映画)

3.6

このレビューはネタバレを含みます

「卒業」みたいにさらわずに、お互いに感謝を述べ合う結婚式なのね。

「卒業」世代でそれに感化されてしまった世代からすれば、なんともきれいごとでもあり打算にしか思えない。裏返すと知らず知らずにのうちに創
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静かなる叫び(2009年製作の映画)

3.0

モノクロ作品。記憶とイメージに静かに寄り添う。過激な思い込みが、銃が身近にあることで簡単に無差別殺人に繋がってしまう。やられた側は命は落としたものは言うに及ばず助かった被害者もフラッシュバックなどのP>>続きを読む

草原の実験(2014年製作の映画)

4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんとも美しい映像。カット割、空と風と大地、俯瞰とアップ、朝、昼、夕暮れ、夜。光と影。そして少女の美形さたるや!

映像詩とでもいうのだろうか。会話も一切ない。瞬間瞬間に削ぎ落とされた美が感じられる。
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ナディアの誓い - On Her Shoulders(2018年製作の映画)

3.6

静かだが、強さを感じる内容。ナディアの素直でナイーブな感性が印象に残った。虐殺などの暴力がいったいいつ世界から消え去るのか?

残虐な人間の行為を人間が押し留めることが出来ないままずっと世界は動いてき
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また蝶が舞う日まで/宮鎖沈香(2013年製作の映画)

3.8

周冬雨。いやあ、見惚れた。いじらしい役柄がなんともハマる。ん、ストーリー?そんなものはどぉでもいーんです笑笑

僕らの先にある道(2018年製作の映画)

3.8

チョウ・ドンユイ。サイコー過ぎる。どんな役でも自分農民モノにしてる。

少し、いやおおいに切ない話だけれど、よい話でした。気持ちは伝えられる時にきっちりと伝える。ほんとうにそうだ。ごめんなさい。愛して
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1978年、冬。(2007年製作の映画)

4.1

これは紛れもない傑作。淡々としたシンプルな描写だが、骨太。エピソードの挿入やプロットもお見事。構図やカット割もシビれた。一瞬の淀みもなく、ラストシーンまで引き込まれた。

内面描写も台詞の少ない中で滲
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恋するシェフの最強レシピ(2017年製作の映画)

4.0

チョウ・ドンユイがかわゆ過ぎる。年齢に関係なく胸キュンする。いや、ほんとうに演技がすばらしい。いろんな役に入り切ってしまえるし、そう思わせる大胆で細やかな芝居。

ストーリーも完全にツボでした。最後に
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最後の決闘裁判(2021年製作の映画)

3.6

リドリー・スコットらしく重厚感たっぷり。中世ヨーロッパの雰囲気も見応え充分。

ただストーリーとしてはわたしには面白味に欠けた。

※マグリットのように本当のところは分からずに「授かった」子どもに愛情
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DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

2.8

ハンス・ジマーの音楽がめちゃ耳ざわり。今回特に彼の特徴でもある重低音が映像とリンクしてないように感じた。劇場の設定にもよるとは思うが大音響過ぎてほとんど耳を塞いでの鑑賞。映像も美しく素晴らしいのだが、>>続きを読む

草の響き(2021年製作の映画)

3.0

良い意味でも悪い意味でも「文学的な作品」。読み手側の体験や知識、モノの見方によって自由に解釈することが可能である。反面、余白が大きすぎてどこにどう色付けをするのか分からなくなる。

やはり映画的な具象
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にあんちゃん(1959年製作の映画)

3.4

九州の炭鉱町で暮らす4人兄妹。貧乏のどん底でも逞しく生きる子どもたち。

在日コリアンの小学生の頃の日記が原作。

戦後の田舎町の生活の実態がよく分かる。
今村昌平監督なのでおとなの役者は豪華。

海洋天堂(2010年製作の映画)

3.2

グイ・ルンメイ推しで観た。やはり美しい。しかしいろんな役をうまくこなすなぁ。

作品そのものは自分にはあまり響かなかった。経験や境遇によってはどハマりするのかもしれない。

真珠のボタン(2015年製作の映画)

3.8

映像の美しさの中に人類の血の歴史が漂う。南米チリの海に暮らす先住民族の虐殺からピノチェト政権の虐殺まで水の記憶、それは宇宙に拡がる星の記憶でもある。

他者への暴力は一部の人間の悪行ではなく、自らの人
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