eulogist2001さんの映画レビュー・感想・評価

eulogist2001

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ジョン・ウィック(2014年製作の映画)

3.8

痛みを感じる。かなり痛烈に。けどクセになる。殺す根拠とほの復讐劇はどうみても見合わないけれど、どこか納得してしまう。

マルジェラが語る“マルタン・マルジェラ”(2019年製作の映画)

3.6

スタイルを持って誠実に人生を貫く。彼のファッションの魅力はそうした姿勢にこそある。他人から見た変化は彼にとっては必要不可欠な道程なのだ。

その意味では彼にとってはファッションはビジネスでもなければ成
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蛇の穴(1948年製作の映画)

3.6

アメリカの戦後の精神病棟のあり方がわかる。幼児期のトラウマ、父母との関係など精神分析の要素が深く伺える。閉鎖病棟や病状によっての区分け、合議制なども取り入れていたのは当時としては先進的。

映画として
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戦争と女の顔(2019年製作の映画)

3.6

独特なリアリティ。先が読めないサスペンスもある。背景には第二次大戦状況下でのソビエトの暗い環境もある。オチもそうなの⁈という流れでもあった。

緊迫した映像と緻密なシナリオ。じっくり鑑賞したい作品。

秘密の森の、その向こう(2021年製作の映画)

3.8

Blu-ray
祖母が亡くなり、父母とともに森深いところにある実家の片付けに戻った8歳の娘。
そこで同い年の女の子と森で出会う。
どうやらそのコは23年前の母だった。

とても奇妙な設定ながら、物語世
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テーラー 人生の仕立て屋(2020年製作の映画)

3.6

寡黙な仕立て屋。なかなかペーソスとユーモアのある佳作。彼を取り巻く子ども、女、子ども、老人がすばらしい。

ルーナのために(2020年製作の映画)

3.2

先天異常による水頭症。家族を含め周りの人達がほんとうに優しい。
病や障害に対する意識が途上国のほうが排除の論理ではなく、いたわって共生していこうとみえる。

陸軍士官学校(1927年製作の映画)

2.2

昭和12年当時の陸軍士官学校を描くドキュメンタリー。日活。
国威発揚のドキュメンタリーの典型か。久米明さんのナレーションが懐かしい。

マーキュリー13 宇宙開発を支えた女性たち(2018年製作の映画)

3.8

勇気と希望を与えられる。女性史はほぼ男性優位な世の中との闘いの歴史でもありる。そして必ずその壁を打ち破ってきた勇敢で知的な女性がいたことの証明でもある。

本作は女性宇宙飛行士が誕生する大きな礎となっ
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メタモルフォーゼの縁側(2022年製作の映画)

3.8

小さな事で出会い。小さな勇気。小さなきっかけ。小さな想い。小さな失敗。小さな日々。小さな匂い。小さな別れ。

芦田愛菜と宮本信子だからこその世界。小さなことに気づき、ことほぎ、大切にして愛する。生きる
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Mr.ノーバディ(2021年製作の映画)

4.0

粋だ。構成、台詞、配役の関係性、アクションの間、音楽。どれも粋である。

ハードボイルドな作品でもある。寡黙で知的。一切、余計なことがない。

92分という時間でこれだけの興奮と余韻を残すとは驚きだ。
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ベネデッタ(2021年製作の映画)

3.6

映画としてのドラマティックさは充分。エキセントリックな主人公の行動には展開としても悩まされる。なんども偽の奇跡をするのはほんとうは何の意味があるのか。最後まで分からなかった。またレズビアンと宗教の関係>>続きを読む

連鎖(2018年製作の映画)

3.2

差別や偏見の連鎖。当事者置いてけぼりの正義感の連鎖。
この鎖のひとつにならないことを肝に銘じたい。

作品としては断片が散りばめられたまま、回収されずに終わった感がある。それを余韻と取るか、破綻と取る
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ジプシーのとき(1989年製作の映画)

3.8

想像を越えてドラマティック。冒頭からの流れではまったく思いもよらないところに着地していた。

主人公も少しずつ大人になっていってる気がした。また特殊な能力が祖母から孫、その子どもへと繋がるところも程よ
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眠りに生きる子供たち(2019年製作の映画)

3.6

あきらめ症候群。昏睡状態が半年から数年続く。難民の子どもが発症する。仮病や親に毒を盛られたなどの風評被害もあった。スェーデンではこの3年で200件を越えるという。まさに現代の眠り姫。

そこには不安や
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チャンシルさんには福が多いね(2019年製作の映画)

3.6

信じたいもの、成したいもの、見たいもの。たしかにそれが映画なのかもしれない。

不足を埋めるためでもなく、自分らしくいられるもの。コレも響くなぁ。もっともっと、ではなく、ほんとうに欲しいものだけでよい
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逆転のトライアングル(2022年製作の映画)

3.8

三部構成がそれぞれ後半に向けてのレイヤーとなっていてユニーク。ドタバタなユーモアと皮肉、シリアスが混在していて深みと軽みの両方楽しめた。映画作品としてのドラマツルギー満載。

ラストシーンは考えさせる
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少女は卒業しない(2023年製作の映画)

4.1

静謐。深い想い。喪失と再生。優れた文学や映画などの作品ではこの3つが揃っていることは重要だ。

裏返すとなんだかうるさくて底が浅くて現実が何も変わらないようなものは取るに足らないつまらないものだ。わた
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アイ・アム まきもと(2022年製作の映画)

3.8

Blu-ray
弔うということ。生きるということ。誰かと関係していくこと。誰かを想うこと。

少し間の抜けたキャラ設定の「牧本」さんだからこその人との関わりが、孤独死という事件や様相をほんわかと深いも
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ファイヤー・イン・パラダイス 地獄と化した町(2019年製作の映画)

3.6

実話だと思うと言葉が出ない。山火事の恐ろしさを実感した。異常気象の影響だとしても、どこかやるせないし、消防や自治体の対応不足も感じてしまう。

ムンバイ・マフィア:警察と闇社会の仁義なき戦い(2023年製作の映画)

3.4

いくらなんでもギャングといえど警官が自由に殺して良いのかという気もするが、1990年頃のインド・ムンバイでは公然と行われていた。そしてギャング側の報復として多数の爆破事件が起きる。

その後タイム誌の
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無垢なる証人(2019年製作の映画)

4.0

久しぶりに完全にツボに入った。無垢な感性。そこに引きずられるように心が動かされていく人々。単純な構図ではあるが、心揺さぶられてしまう型なのだ。

弁護士役も自閉症役もよかった。ナチュラルな演技の中でも
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.8

このレビューはネタバレを含みます

死期の近い窓拭き清掃人のシングルファザー。4歳ほどの息子の里親探しに奔走する。子どもを想う気持ちと里親たちの想いのズレに苛立ち、焦る。

小さな子どもは父親の行く末をそれとなく感じ、甘えたり慰めたり。
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still dark(2019年製作の映画)

3.4

冷や冷やしながら、どうしても観てしまう。盲目の若者がスパゲティ料理人を目指す。そこにはコワモテの料理長とヤンキー上がりの同い年の若者がいる。

そんな環境で、彼は厳しくも愛されながら1か月を過ごし、卒
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賢いお金の使い方(2022年製作の映画)

3.6

細かい手法は本作だけでは理解出来ないが、お金への向き合い方はよく分かる。たしかにお金についてちゃんと学ぶ機会がないのはどうしてなんだ。むしろ学ばせない何かがあるように考えてみると、資本主義社会にとって>>続きを読む

アメリカ炭疽菌事件と犯罪科学捜査(2022年製作の映画)

3.6

最大の容疑者である炭疽菌の権威が自殺してしまう。残念な結果。ただ状況証拠だけで追い詰めていく手法は疑問が残る。

またFBIのメンツにも似た犯人探しにも映る。まさに冤罪事件の背景にある権力者のメンツを
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愛してるって言っておくね(2020年製作の映画)

3.0

ファンタジックなアニメーション。寂しさと切なさと、愛情が溢れてる。コーヒーブレイクな一品。

小さき麦の花(2022年製作の映画)

4.0

いまではとんと耳にすることがなくなった言葉、清貧。清く正しく美しく。

ただこの夫婦は容姿はけして美しくはない。オンナは失禁をしてしまう病を持ち、左手は少し不自由。だが愛情が海のように深い。男は無口で
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エイリアンとの交信を追い求めて(2020年製作の映画)

3.2

肉体は地球にあっても、意識は宇宙を旅している。なんだか感心した。俗物とは究極的に遠くにいる存在にも思える。

それを寛容的に受け止めてくれる環境もまたすばらしい。多様性の一端はこうしたところにも位置し
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ANIMA(2019年製作の映画)

3.8

集団による奇妙な同期をとったダンスパフォーマンス。ひと組の男女のストーリーもあり、面白楽しい。

構図や振り付けもユニークで飽きない。ファンタジックでありながらもリアル。ダンサーの踊りだけではない表情
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愛と闇の物語(2015年製作の映画)

3.6

まさに海外の小説を読むような感覚。行き先が分からず、少し乾いた感じで幻想的。

母に対する子どもの視線がすばらしい。

グラートベック人質事件:メディアが越えた一線(2022年製作の映画)

3.6

あの時代、マスコミ人ってスゴイわ。犯人と馴れ馴れしく会話したり、警察との橋渡しをしようとしたり、犯人と人質の乗るクルマになかば強引に乗り込んだり。やりたい放題にも見える。日本でも豊田商事事件などを顧み>>続きを読む

アルピニスト(2021年製作の映画)

3.8

こんなすごいアルピニストがいたなんて知らなかった。山に対する貪欲さもハンパないし、その楽しみ方も底知れない。

命の危険や恐怖との闘いの向こう側に生きる喜びを感じている人間って居るんだなと。そして想像
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Mr.&Mrs. スミス(2005年製作の映画)

3.6

BS4K
豪華なふたりの共演。意外性もあり、エンタメ作品として充分に楽しめた。バトルシーンがほとんどだけれど、いろんなシーンをおり混ぜられていてなんとか飽きずに鑑賞。

ディオールと私(2014年製作の映画)

3.8

月並みだが、華やかなファッション・ショーの舞台裏のデザイナーの強烈なプレッシャーとモノづくりの過酷さや執念を見た。まったくファッション・ショーには興味がなかったが、心から見てみたいと思ってしまう。>>続きを読む

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