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人間の境界のeulogist2001のレビュー・感想・評価

人間の境界(2023年製作の映画)
3.9
感情の奥底からジリジリとどこに向かうでもない怒りに満ちてくる作品。ロシア・ベラルーシとEU西欧社会の政治的な思惑。それぞれの政治のもとで警備にあたるポーランドとベラルーシの警官や国境警備隊。いささかの反抗、然し決然たる意思を見せる難民支援の活動家たち。そして生命そのものを無惨にもたらい回しされている最下層にいる難民。

ラストのウクライナ難民のポーランドの受け入れと比較すると、「人道主義」といいながら、そんな理念が薄ら寒く思えるくらい恐ろしいほどの「差別的」な側面が見える。
※もちろんそうしたフィルターの元に我々を含めて多くの人々が生活しているのは言うまでもない。

救いなのは、難民支援の活動家たちもそうだが、現場の警備隊員にも一縷の光もあることだろうか。(ほんとうに現実のシーンでもあるかどうかは別にしても)
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