名波ジャパン10

線は、僕を描くの名波ジャパン10のレビュー・感想・評価

線は、僕を描く(2022年製作の映画)
4.2
水墨画に込められた日本人の美意識を見事に描き切り、それだけでも評価出来る作品。横浜流星がギラギラ感を消し去り、喪失感に苛まれる主人公を好演。一方で、清原伽耶はワンパターンの透明感ですが、ハマり役。原作が人気小説だけに手堅いストーリー展開の中で家族を失った原因を原作の交通事故から別のある災害に変えた脚色は素晴らしいの一言。この演出でそれまで淡々と展開していた映画が俄然動き出しました。映画に出てくる主人公の水墨画は全て横浜流星自ら描いたとのことです。あまり好きな役者ではなかった横浜流星ですが、「アキラとあきら」で見直し、本作品の好演と水墨画に挑み続けた役者魂で一気に評価急上昇。因みに館内は横浜流星目当てと思われる若い女性ばかりでした。